【感想】「モモ」から学ぶ、生きる上で大切な3つのこと。

今回はミヒャエル・エンデの「モモ」について書いていきます。

ミヒャエル・エンデといえば、ネバーエンディングストーリーの原作となった「はてしない物語」も有名ですね。

さて、「モモ」はどんなお話かと言うと、時間泥棒から時間を盗まれた大人たちに、時間を取り戻してあげる少女モモの物語です。

このモモの物語は1973年に書かれました。

今から50年近く昔に書かれた本なのに、ミヒャエル・エンデは未来を見てからこの話を書いたのかなと思えるくらい、今を生きる全ての人に刺さる本だなと思えました。

そんな「モモ」から学び、大切だなと思ったことを3つ紹介していきます。

目次

1.聞く力の大切さ

モモは普通の少女ですが、特別な才能が1つありました。

それは話を聞く力に優れていることです。

モモ自体は悩みを解決できるわけではありませんが、モモに話を聞いてもらうと不思議と心が軽くなったり悩みが解決したりするのです。

物語の中では、「モモのところに行ってごらん」というのが合言葉になるほど、町の人たちから重宝がられる存在となっていました。

相手の心に寄り添って真剣に話を聞くことで、話し相手は自分だけでは分からなかったことが理解できたり、考えがまとまったりするようになるのですね。

人は自分に一番興味があり、自分自身を尊重されたいと思っています。

話を親身に聞いてくれる人というのは、そんな心を満たしてくれる大切な存在なのですね。

2.時間泥棒から時間を守る大切さ

物語の中で時間泥棒の灰色の男たちは、いつの間にか時間を奪い去っていきます。

現実の社会にもこの灰色の男たちが暗躍しているなと感じます。

例えばネットサーフィンをしたり、YouTubeを見たりしていると、いつの間にか時間が過ぎ去っていると感じることはありませんか?

何か目的があって見ている場合はよいのですが、寝る前などに何の目的もなく延々と見てしまっている場合は注意が必要です。

灰色の男たちにより、いつの間にか時間が奪い去られているのです。

現実社会においても、灰色の男たちが時間を奪い去ろうとしていることを意識して身を守ることが大切なのだと感じました。

3.今この瞬間の大切さ

モモの物語のなかで、時間という存在そのものをモモは見る機会がありました。

それは大きな振り子が揺れる不思議な場所でした。

振り子が片側に振れると、そこにはこれまで見た中で一番だと思えるような美しい花が咲くのです。

そして振り子が戻っていくと、枯れてなくなってしまいます。

でも反対側に振れた時には、その反対側にもこれまで見た中で一番だと思えるような美しい花が咲くのです。

現実の時間も同じようなものなのです。

今この一瞬に今までで1番キレイだと思える花が咲いては枯れていく。

同じ花は二度と咲かないのです。

今この時はもう二度と戻ってこない。

戻れない過去をあれこれ悔やんだり、まだ見ぬ未来に不安を感じるのではなく、

いまこの瞬間を大切にして、いま咲き誇る花で心を満たしていくことが大切なのだなと気づけました。

心に響いたエピソード

最後に、心に響いたエピソードを書いていきます。

作中で、時間を奪われた大人から相手をしてもらえなくなった子供たちがモモの元にに集まってくる場面があります。

時間を奪われた大人たちは、子供たちの相手をする時間がなくなったので、子供たちにオモチャを買い与え放置するようになりました。

大人に相手にされなくなった子供たちは、次第にモモの周りに集まるようになります。

モモは孤児であり、周りの人たちの助けでなんとか暮らしていました。
そんなモモにはオモチャを買うようなお金はありません。

だけどモモは自分の創意工夫によって楽しく遊ぶことができました。

大人からかまってもらえなくてやってきた子供たちは、オモチャをたくさん持っています。

大人に相手にされない寂しさからか、
「こっちのオモチャで遊んだ方が面白いんだぞ」
といってモモの遊びを最初は邪魔してくるのでした。

でもモモはそのオモチャを見ても羨ましいとは思いませんでした。

リモコンで動く戦車も、ロケットを飛ばすオモチャも、動かしたり飛ばしたりとそれだけにしか使えないものです。

そこに創意工夫を挟む余地がないものを、モモは面白いとは思えなかったのです。

最初はモモの遊びの邪魔をしていた子供たちも、しだいにモモと遊ぶ方が楽しいと思えるようになっていったのでした。

その話を読んでいる時に思いました。

うちの子供たちの周りにはオモチャもいっぱいあるし、テレビもゲームもある。

でもそれらは子供たちの創意工夫する余地を奪ってしまているんじゃないかと思いました。

YouTubeを食い入るように見ている子供たちは、時間を奪われているし、創意工夫する力をも奪われているのです。

一心不乱に動画に取り憑かれている時と、ごっこ遊びでキャッキャ遊んでいる時を比べてみれば、子供たちの目の輝きの差は歴然で、自分が楽だからといって安易に子供にスマホを渡して放置してしまうようなことは問題だなとモモを読んでから実感したのでした。

まとめ

ももから学んだ大切なこと。

1、人の話をよく聞くこと
2、時間泥棒から時間を守ること
3、今この瞬間を大切にすること

モモを読んでいて、時間を奪われた大人たちの描写は、現代社会をよく表しているなと思います。

仕事や子育てに忙しい中で、残った時間でさえも、テレビやYouTubeに奪われてしまう。

こうして自分に余裕がなくなり、本当に大切なことが見えなくなっていくのです。

「モモ」は私にとっても時間を取り戻してくれた大切な存在となりました。

普段忙しくて余裕がないと思っている人ほど、なんとか時間を捻出し、一度モモを手に取って読んでみてもらいたいなと思います。

あたなの大切な時間もモモが取り戻してくれますよ。

 

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この記事を書いた人

7歳と4歳の2児のパパ
書評記事を中心に、自分の体験を読んでくださる方にとってプレゼントとなるように記事を書いています。
子供たちの人生がよりよいものとなるように思いを込めて、子供たちに向けての記事も書いています。

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