【書評】「喜ばれる人になりなさい」は泣ける泣けないではなく、人生の羅針盤でした。

今回は、永松茂久さんの著書

喜ばれる人になりなさい〜母が残してくれた、たった1つの大切なこと〜

について書いていきます。

永松さんと言えば、「人は話し方が9割」という2020年ビジネス書年間売り上げランキング1位の本を書かれた著者です。

喜ばれる人になりなさい」は永松さんが出版業界で一位になるまで書かないと決めていたそうです。

ペンくん

そう決めたからって、ほんとに達成できるなんてすごいね。

テル

どうすればこんな結果が出せるのか知りたいですよね。

ところで、本の表紙には大きくこう書かれています。

「編集者が5回泣いた。」

この文言には賛否両論があり、Amazonのレビューを見て見ると、タオルがびっしょりなるまで泣けたという人もいれば、全く泣けなかったという人もいました。

このように、表紙で「泣いた」と書いてるもんだから「泣ける」「泣けない」という話になりがちなんだけど、この本は永松さんが泣かせるために書いた本ではなく、恩返しのような貢献したいという思いから書かれた本だなと私は思いました。

喜ばれる人になりなさいは」永松さんのリアルな半生を描いた本であり、永松さんが自身のエピソードから成功の秘訣を語ってくださっている本です。

永松さんの実体験から学んだ、人生において大切なことを3つ紹介していきます。

この記事を書いている私は、年間本を100冊以上読む、子供時代からの本好きです。
ブログ記事では、とくに素晴らしいと思った本について書いています。

この記事を読んでもらいたい人

・人生で成功したい人
永松さんの両親も経営者であり、永松さん自身や弟さんも経営者として成功されています。
また、祖父母も経営者であり、経営者として成功している大切な教えが学べます。

・今、子育てに一生懸命なお母さん
本を読んだ反響が一番大きかったのは子育て中のお母さんだったとのこと。
お母さんの心を楽にする子育て論が書いていました。

目次

成功の秘訣は喜ばれる人になること

「喜ばれる人になりなさい」

これは永松さんがお母さんから繰り返し教えられてきた言葉であり、世の成功者たちも多少言葉は変わるものの同じことを口にしています。

つまり成功したいなら喜ばれる人になればいいということです。

ではどうすれば「喜ばれる人」になれるのか?

その答えは、本書の一番最初に「運は買える?」という項で書いてありました。

永松さんのお母さんいわく、運というのは買えるのだそうです。

お金には見えるお金と見えないお金の二種類があり、運は見えない方のお金で買える。

その見えないお金を「徳」といいます。

徳というのは、喜ばれることをしたら1個たまる。そして、喜ばれることを人に気づかれないようにしたのなら10倍たまるのだとか。

ペンくん

喜ばれることをしたんだから気づいてもらいたいな〜。

テル

見えないところでも人に喜ばれる行動をとれる人が成功できるのでしょうね。

 

この本を読んで思い出したのが、「てんびんの詩」の話です。
てんびんの詩とは、大正時代 近江商人の家に生まれた少年の話です。

少年が13才の誕生日を迎えてすぐに、鍋の蓋を売ってこいと行商に出されます。
長い棒の両端に鍋蓋の入った風呂敷を下げて、棒を肩にのせ支え、天秤のような形で売り歩くのです。
父親からは「この鍋蓋全部売ってこないと、跡を継がせるわけにはいかない」と言い渡されました。


ただ、鍋の蓋はどこの家にもあるものだし、そうそう買い替え需要があるわけでもありません。
家業の取引先や親戚をまわっても誰も買ってくれない。
商売人のマネをしても、乞食のマネをしても1枚の鍋蓋も売れなかったのです。
1ヶ月、2ヶ月経っても売れない。
少年にはどうすれば売れるのか分りませんでした。

そうして3ヶ月も過ぎ、少年は疲れ果ててしまいました。
疲れた足で歩いていると、ふと家の軒先にある鍋蓋が目に入りました。

「この鍋蓋が無くなったら買ってもらえるかもしれないな」
そんな考えが一瞬頭をよぎった少年だったが、おもむろに少年は鍋蓋を洗い始めました。

そこにその家の奥さんが帰ってきて、自分の家の鍋蓋を触っている少年に出くわすのです。
不審に思った奥さんは、何をしているのかと少年に尋ねました。

慌てて「ごめんなさい」と手をついて謝る少年。

少年は奥さんになぜ鍋蓋を洗っていたのかを話します。
「これこれこういう理由で鍋蓋を売り歩いていたのだが1枚も売れなかった。」
「そんな時にこの鍋蓋を見かけ、この鍋蓋を見ていたら同じように誰かが苦労して売ったものなのかもしれないなと思うと、この鍋蓋が愛おしくなって、洗ってしまったんです」

その話を聞いた奥さんは涙を流しながら、その鍋蓋を売って欲しいと話すのでした。

こうして少年は商売人として大切なことを学んだという物語です。

この少年の父親は商売人として成功しようと思ったら、自分のことだけを考えていてはダメなのだ。
人に喜ばれるようになることが大切なのだと、自分で気づいて欲しかったのだと思います。

永松さんの両親は共に経営者であり、同じように「喜ばれる人になること」が何より大切なのだと、教えてくれたんだろうなと思いました。

喜ばれる人になることこそが、成功の原点である。

お母さん向けのすごい教育論

喜ばれる人になりなさいを読んだ読者の中で、一番反響が大きかったのが、子育て世代のお母さんだったそうです。

本の中でお母さん向けのすごい教育論というものが書いていました。

永松さんのお母さんは、経営者でありながらお坊さんの資格も持っており、家で相談を受けたりもしていました。
そこで悩めるお母さんの相談を受けていた時のアドバイスが凄かったのです。

子供が引きこもり悩んでいたお母さんは、子育て勉強会で「子供の自己肯定感が足りてないからとにかく褒めて育てなさい」と言われたそうです。


それを聞いた永松さんのお母さんは、
「それをしたら子供をダメにするんじゃない?」
と、きっぱりと回答しました。

なんでもかんでも褒めてばかりいたら、その子は褒められないと何もできない子になる。
ダメなことはダメってしっかり言うことも愛であり、子供を信じているからこそ厳しいことも言えるのだと。

でも勉強会で、うるさく言ってはダメだと言われたお母さんはどうしていいのか分からなくなりました。

そんなお母さんにこう言うのでした。

「あなたは聖母マリアになろうとしているの?」

まさかそんなすごい人になろうなんて・・・と戸惑うお母さんに説明します。

「お母さんて何千年も前からうるさい存在だったのだよ。自分のお腹を痛めて産んだ子なんだから。
そんな何千年もたくさんの人ができなかった聖母マリアみたいな存在を目指すほうが無謀じゃない?」

では、たつみさん(永松さんのお母さん)はどうされているのですか?と聞いた回答がこれです。

私は母として3つのことだけを決めている。

1、子供に対する心配をする時間があるなら、それを自分の好きなことをやる時間に変えること。

2、子供がどんな状態であっても、お母さん自信が自分の機嫌は自分でとりながら明るく生きること。

3、何があっても子供の味方でい続けること。何があっても子供の未来を信じること。

子供に自分が楽しく生きている姿を見せれば、子供も将来そうやって楽しく生きることができる人間になれる。

楽しく生きる姿を見せながら、ダメなことはダメだとしっかりと話す。

なんでもかんでも褒めるのではなく、「大丈夫、あなたのこと信じてるよ」「あなたならできるから」と何があっても信じて見捨てないこと。

これが何より大切なことなのである。

子供のことを一番に考えているお母さんが、口うるさいのは当たり前。聖母マリアは目指さなくてよい。
母親は自分の機嫌は自分でとって、人生を楽しく生きること。それを見て子供は育つ。
子供のことは何があっても信じ抜くこと。

母親と繋がるということ

一時期、母の長電話が嫌だった。

今、母と長電話がしたい。

この文は本書の一番最初に書かれています

母親といえば口うるさいし、電話がかかってくるとあれこれ長話になるので面倒だと思われる方も少なくないのではないでしょうか。

ただその口うるさい母親も、いつかこの世から去ってしまうのです。

でも普段は意識なんてしないですよね。

私もそうです。

母親のことどころか、自分自身のことでさえも意識していないものです。

テル

最後にお母さんと話したのはいつですか?

人がいつ死ぬかなんて誰にも分からない。

最後に話した会話が、本当の最後の会話かもしれないのです。

何気ない会話の一つ一つがかけがえのない時間なのかもしれない。

「しばらく話してないな」なんて人は、一度声を聞いてみてはいかがでしょうか?

ペンくん

とは言っても特に用事もなく電話するのはな。

テル

用事はなくったっていいんです。
「最近連絡してなかったから、どうしてるのかなと思って」
というのも立派な理由ですよ。

そうやって母親のことを想って連絡をすることで、親子として深くつながることができ、自分にとっても良い影響が現れてくるのだと思います。

元と繋がるという言葉があるように、先祖と繋がることで、守護霊のように自分を守ってくれる力になる。

そんなバカな話はないと思われるかもしれないが、実際に本当に効果のある話なのである。

とりわけ、自分は母親から生まれてきた存在であり、母親の命を分けてもらって生まれてきているのである。

そういう意味では、母親も自分と同じ存在であり、母親としっかり繋がることは意味があることなのである。

そうして、母親と繋がり、先祖と繋がっていくことで、何か不思議な力で守られるというのが、嘘のようであるが、実際にその効果を体験している人は多くいるのである。

本書でいう永松さんもその1人です。

「喜ばれる人の存在を世の中が必要としているのだから急いで書きなさい」という目に見えない大きな力が僕をここまで運んでくれたとしか思えない。」と本書で語っていました。

出版で日本一を取るなんて、実際に取れるなんて、永松さん1人の力ではなく何か不思議な力が働いたと考える方がまだ納得できるなと思います。

お母さんの存在の大切さを再確認してみよう。
今、あなたのお母さんは笑っていますか?

まとめ

ここまで読んでくださったのなら、この「喜ばれる人になりなさい」で泣ける・泣けないなんて議論はどうでもいい話だということに納得していただけるのではないでしょうか?

大切なのは、「喜ばれる人になること」こそが人生の羅針盤であり、喜ばれる人として生きていくことが、成功の秘訣であると永松さん自身の体験を持って教えてくれています。

喜ばれる人になるためには、見えない方のお金、つまり徳をつむことが大切です。

自分は人に喜んでもらうために何ができるのか?

これを頭の片隅に置きながら、これからの日々を過ごしていこうと思わされた良書でした。

この素晴らしい本をぜひ手に取って読んでもらえたらなと思います。

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この記事を書いた人

7歳と4歳の2児のパパ
書評記事を中心に、自分の体験を読んでくださる方にとってプレゼントとなるように記事を書いています。
子供たちの人生がよりよいものとなるように思いを込めて、子供たちに向けての記事も書いています。

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