万年筆は静かなブームになっている。
そんは話は私が万年筆に興味がなかったころから聞いたことがあります。
そして現在、万年筆の沼に足を踏み入れて思うことは、
静かなブームなどではなく、ずっと根強いファンに支えられてきているのだなと思いました。
万年筆を愛してやまない人が沢山いるのです。
私はApple Pencilがあれば、もう紙なんて不自由なものは無くなってもいいと思っていました。
しかし、息子が鉛筆でノートに自由に書く様を見て、
「紙に書く」というのは何か特別なものがあるなと感じました。
それから息子のマネをして、ノートに自由に雑記を綴るようになり、
書くのを楽しむために、万年筆を試してみるのも自然な流れでした。
当初、自分が何本も万年筆を買うなんて思ってなかったから、色々調べて値段と書き味と少しの高級感を兼ね備えていると思われた、「プラチナ万年筆のプロシオン」というモデルを購入しました。
字の太さは無難なF(細字)
最初からコンバーターも購入し、インクから吸い上げてペンに入れる所作に自分でうっとりし、最初のファーストタッチ。
「めちゃくちゃいい」
一瞬で万年筆の虜になりました。
それから他の字幅も試してみたいし、他のペンはどんな書き心地なのだろうと気になるし
気がつけば昨年一年間で10本の万年筆を購入していました。
購入した万年筆は、購入順に以下の10本です。
- プロシオン 細字
- カクノ 極細字
- 3776センチュリー 中字
- スーべレーンM400 細字
- ラミーサファリ 極細字
- キャップレスデシモ 細字
- 3776センチュリー 極細字
- Lanbitou3088 極細字
- 3776センチュリーロジウムフィニッシュ 細字
- ライティブ 細字
10本というのはちょうどキリのいい数字ですので、今回は実際に使ってみてよかった順にランキングをつけてみることにしました。
まだまだ万年筆の沼に足を踏み入れたばかりの若輩者の感想ですが、ぜひご参考になさってみて下さい。
万年筆ランキング
万年筆ランキングを作るにあたり、以下の5つの項目について10点満点で点数をつけ順位づけをしました。
①見た目
見た目のカッコ良さ、好みかどうか。
②書き心地
気持ちよく書けるかどうか。
③インクフロー
ストレスなく書けるかどうか。
④コスパ
値段と使い勝手のバランス。
⑤使用頻度
実際に使っているかどうか。
1位 3776センチュリーロジウムフィニッシュ 細字
堂々の第一位はプラチナ万年筆 3776センチュリーのロジウムフィニッシュです。
①見た目 9点
②書き心地 10点
③インクフロー 9点
④コスパ 8点
⑤使用頻度 10点
私が購入した10本の万年筆の中にプラチナの万年筆は4本あり、さらに3776センチュリーについては3本買っています。
それだけプラチナの万年筆にハマってしまったということですね。
この3776センチュリーは、見た目と書き心地を高いレベルで両立しており、とにかく書いていて気持ちがいい万年筆です。
プラチナの万年筆は、ぬらぬら滑るように書けるという万年筆のイメージとは一味違っていて、鉛筆で紙に書いているような独特の気持ちよさがあります。
そしてこの美しさ。
書いていなくても、このロジウム仕上げの万年筆を眺めているだけでニマニマしてしまいます。
3776は極細字・細字・中字と3つの字幅を持っているのですが、この細字がいちばんバランスがとれていて、
とにかく気持ちよく書ける最高の一品でした。
2位 キャップレスデシモ 細字
第2位はパイロットのキャップレスデシモの細軸です。
①見た目 9点
②書き心地 9点
③インクフロー 9点
④コスパ 8点
⑤使用頻度 10点
もうこれは何と言ってもノック式で気軽に使えるところが最高という一言に尽きます。
万年筆はキャップをクルクル回して外すことも楽しみの一つではある。
だけどちょっとメモしたいときには、その動作が煩わしく感じてしまうこともあります。
そんな時にピッタリなのが、このキャップレスの万年筆です。
ノック式で手軽に使えるのに、書き味はしっかり万年筆。
見た目もおしゃれで、使いたい時にさっと取り出しさっと書ける。
パイロットの万年筆なのでクセのない滑らかな書き味も、プラチナの万年筆と違ってまた気持ちいいんですよね。
このキャップレスデシモは細字を購入したのですが、プラチナの細字に比べたらやや太い字幅でした。
細字が好みの私とすれば、そこだけが減点対象でした。
本当は、極細字を買おうと思ったのですが、このダークブルーメタリックの色には極細字のモデルがなかったので、
「見た目」か「字幅」の選択をすることになり、結果「見た目」を選んだのでした。
字幅が細くて、書き味が変わらないのであれば同率1位になれたであろうなと思います。
それだけ、この万年筆の完成度と使い勝手は高かったです。
買ってよかった万年筆です。
3位 ライティブ 細字
第3位はパイロットのライティブの細字です。
①見た目 7点
②書き心地 9点
③インクフロー 8点
④コスパ 10点
⑤使用頻度 8点
2021年の12月8日に発売されたばかりの新しいモデルです。
価格は2000円でありながら、デザインと書き味が素晴らしく、あっという間に上位に食い込んできました。
もうこれでよくない!!
そう思えるほど、完成度の高い一品です。
パイロットのサラサラと書ける、誰が書いても書きやすいだろうなという書き心地はさすが。
すでに持っているカクノと同じニブだということで、書き心地はいいだろうとは思っていたけど、カクノの極細字と比べるとライティブの細字は段違いに書き味が良くなっていて、字が細いのが好みだけど、この気持ちよさの方が勝るなと思いました。
ライティブにアッパレをあげたいと思います。
3位 3776センチュリー 極細字
同率第3位は3776センチュリーの極細字です。
①見た目 9点
②書き心地 8点
③インクフロー 8点
④コスパ 8点
⑤使用頻度 9点
このシャトルブルーはとにかくおしゃれ。
第一位に輝いたロジウムフィニッシュと比べても甲乙つけ難い美しさです。
この極細字という字幅も、小さな字を書いてもつぶれない好みの字幅。
プラチナのスクラッチーな書き味のおかけで、小さな字を書いても字がつぶれずにキレイに書けるところがとにかくよいです。
ただ字幅は好みでよいでよいのですが、書き味は細字の方が好みであるため、順位としてはロジウムフィニッシュの後塵を仰ぐ結果となりました。
5位 プロシオン 細字
第5位は、万年筆の沼にハマるきっかけとなった最初の1本、プロシオンの細字です。
①見た目 8点
②書き心地 9点
③インクフロー 7点
④コスパ 9点
⑤使用頻度 8点
見た目と書き味、そして握った感触と値段という全てにおいて高い水準でバランスの取れた1本です。
最初の1本ということで念入りに調べに調べて購入した万年筆です。
そりゃーいいでしょ。
ただ、他の万年筆を買ってみてわかったことなんだけど、
このプロシオン君。
インクの出が少しばかり悪いです。
同じインクを使っていても、なんか他のより色がうすくなるんですよね。
ここだけが残念なポイントで5位という結果になりました。
5位 3776センチュリー 中字
同率の第5位は、3776センチュリーの中字です。
①見た目 9点
②書き心地 8点
③インクフロー 8点
④コスパ 8点
⑤使用頻度 8点
3776センチュリー三兄弟の長男。
定番の仏壇カラーもまたいいですね。
この中字という字幅は、私の好みとしてはやや太い。
そのため使用頻度は少なく、この順位に落ち着きました。
書き心地については、細字と中字にはそこまで違いがないかなという感じです。
だったら細字が好みなので、細字のロジウムフィニッシュでいいかなとなりました。
この子は、封筒の宛名書き専用ペンとなっています。
7位 ラミーサファリ 極細字
第7位はラミーサファリの極細字です。
①見た目 7点
②書き心地 9点
③インクフロー 9点
④コスパ 9点
⑤使用頻度 6点
このラミーサファリ、とても素晴らしい一品です。
実売2千円代で買える万年筆でありながら、なめらかな書き心地は感動するレベルです。
本来であればライティブよりも上をいく一品であると思います。
だけどそんなにいい万年筆なのになぜこの順位なのかというと、ただ一点残念なポイントがあるからです。
それは、EFという極細字モデルなのに3776の中字と同等かもう少し太いかなという字の太さにあります。
インクはぬるぬる出るし、書き味も素晴らしい、あとこれで字幅が好みな太さだったら最高なのになというところです。
海外製は字幅が太くなる傾向があるのですね。
7位 スーべレーンM400 細字
同率の第7位はペリカンのスーベレーンの細字です。
①見た目 10点
②書き心地 10点
③インクフロー 10点
④コスパ 5点
⑤使用頻度 5点
スーべレーンM400。
このペンだけ、ネコのペン置きに支えられていない。
ということはつまり、今はもう手元になくお嫁に出してしまった万年筆なのです。
気に入らなかったのかというとそんなことはなく、評価を見てもらえれば分かるとおり、①〜③までは10点満点なのである。
高い万年筆なのでコスパが悪いのは致し方ないところ。
ではなぜ使用頻度が少なかったのかと言うと
字幅が太かったのです。
この写真で見るとよく分からないでしょうが、Fの細字なのに、中字の3776センチュリーよりも明らかに太かったのである。仕事に使うにも、私用で使うにも私にとっては使い勝手の悪い太さなのでした。
唯一出番があったのが、娘にお絵描きをする用途でした。
この素晴らしいペンの用途がお絵描き用だなんて、良心の呵責のようなものを覚え、ついにはお嫁に出す結果となりました。
今は新しいご主人さまのもとで大切に使われているでしょう。
元気でなスーべレーン。
8位 カクノ 極細字
①見た目 6点
②書き心地 8点
③インクフロー 9点
④コスパ 10点
⑤使用頻度 6点
これすごくいいんです。
極細字。
しっかり細い字がくっきり気持ち良く書ける。
鉄ペンのカリカリ、サリサリした書き味は若干強めだが、その分、細かい字は書きやすい。
ペン先のニブと呼ばれる部分はライティブと同じものであるため書き心地のよさは納得である。
見た目で評価を落としてはいるが、1000円という値段で考えると、十分評価してもよい万年筆です。
とりあえず万年筆を試してみたい人には超おすすめです。
9位 Lanbitou3088(中華版キュリダス)極細字
①見た目 8点
②書き心地 9点
③インクフロー 9点
④コスパ 10点
⑤使用頻度 2点
アリエクスプレスで1036円で購入した中華万年筆。
この値段でコンバーターも付属している。
見た目や中身の構造をプラチナのキュリダスからそのまんまパクった中華版キュリダスと言ってもいい製品です。
極細字は自分好みのすごくいい字の細さでした。
そして極細字なのにカリカリ・サリサリせず、滑るように書けて衝撃でした。
あまりに滑らかすぎて書くのが止められず、書きすぎてしまうぐらいです。
たとえるなら、スーパーマリオでルイージを使っているような感覚です。
(マリオに比べてジャンプ力がある反面、ダッシュをすると滑ってつかいずらい)
これがそのまんま当てはまる。
この尖った書き味はとてもよく、キャップレスとしての使い勝手も申し分なく、本来ならもっと上位にランクインしてもよかったなと思います。
ただこの万年筆には残念な点が1つありました。
それは書いているといつのまにか手にインクよごれがついていることです。
ノック式のノックを押し込んだとき、ペンが出た状態にホールドするためにロックする穴があるのですが、そこからインクが漏れ出ており、手が汚れてしまうのでした。
素晴らしい書き味も、手が汚れてしまったら台無しです。
今ではほとんど使わなくなってしまいました。
10位 ダイソー万年筆 中字
①見た目 7点
②書き心地 8点
③インクフロー 7点
④コスパ 10点
⑤使用頻度 3点
脅威の100円万年筆。
見た目は100円とは思えないクオリティー。
このペンのすごいところはインクがとにかく潤沢に出て、ぬらぬら書けることです。
滑るように書くという万年筆の醍醐味を十分に味わえます。
ただ10本中の最下位となってしまいました。
評価が低くなった理由は2つ。
①字幅が中字しか選択できないこと。
字幅のラインナップが中字しかなく、しかも実際に筆記すると太字に近い太さであるため、細身が好みの自分としては使い所がありませんでした。
②ときどきインクがカスれること。
インクが潤沢に出て滑るように書けるのですが、突然インクが出ない時がある。
滑らかに気持ちよくかいている時にインクが出なくなるのは結構ストレスです。
この2つの理由から出番が無くなったので最下位となりました。
さいごに
私の主観だけで構成されてランキングであるが、今回私の中で一位となった3776センチュリーは、一般的な人気投票でも上位に入る人気モデルである。
そう考えると、今回の私のランキングもある程度一般的な評価に収まっているのではないかと思います。
もし、この記事を見て少しでも万年筆に興味がでたのであれば、300円で売っているプラチナ万年筆のプレピーからでも試してみてもらえたらと思う。
購入してないので今回のランキングには入ってないが、店で試し書きをしたら、
「何これ、これで十分じゃない!?」
という驚嘆に値する書き味であった。
万年筆の世界にはインク沼というものもある。
これからいろんなインクをプレピーで試してみるのもいいかもなと思っています。
他にもセーラーの万年筆も使ってみたいし、気になる万年筆が沢山あります。
万年筆は良き相棒であり、友達であり、恋人であり、癒しであり、安らぎであり、常に持ち歩いていたい。
これからも万年筆ライフを楽しんでいこうと思います。
万年筆にハマるきっかけとなった、マイノートを書く習慣を記事にしました。
合わせてどうぞ。
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